スキューバダイビングの魅力とはなんだろうか、と考えてみたとき、自分の中で出た答えは『未知との遭遇』でした。
私はこれまで200本ほど潜っています。
伊豆での海洋実習から始まり、沖縄やグァム、トラックなど太平洋のあちこちの海で潜って来ましたが、どこの場所でも新しい発見や出会いがありました。
例えば、グァムでダイビングをしたのは台風が去った直後でした。
台風で海の中もだいぶ荒れていた為、普段とは違う世界になっていました。
そして、それは同時に新しい出会いを提供してくれる場ともなったのです。
普段は砂やゴミで覆われてしまっている太平洋戦争の遺物が、台風の影響でその姿を現したのです。
私が見つけたのは、アメリカ軍が軍船の上から捨てたと思われる、コカ・コーラの瓶でした。
荒れた海中で砂で洗われたのでしょう、中もすっかりゴミがなくなって綺麗になった、傷だらけでもピカピカの瓶でした。
その時、引率として来ていたダイビングショップの人も見たことがないという、超レアものだったのです。
帰国後に調べてみると、太平洋戦時に確かに作られたもので、エンボス加工で浮き上がっている瓶の刻印には1944年製造の証拠である”44”という文字が読み取れたのです。
まさに戦時中の、マニアには垂涎もののお宝でした。
このようなことは本当に珍しいことですが、水族館や水槽でしか見れない魚が目の前を泳いでいく光景や、ナポレオンフィッシュと共に泳ぐ経験など、新しい出会いには枚挙の暇がありません。
今後も、新しい出会いを求めて、新しい海へと潜って行きたいと思っています。